2011年09月12日

アンデルセン〜童話に隠された秘話〜

アンデルセン〜童話に隠された秘話〜
BS歴史館です。

この回は、デンマーク出身の世界的童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805〜1875)の実像に迫ったものです。

アンデルセンは、マッチ売りの少女、裸の王様、人魚姫、みにくいアヒルの子など、数々の童話を世に生み出した童話作家です。

時は19世紀のデンマーク、人びとは戦争や貧困に苦しんでいました。アンデルセンが育ったのは、デンマーク第三の都市オーデンセ。靴職人の父と、働き者の母の間に生まれます。この家は、今も残っています。外国はなんといってもこんなところがすばらしいです。なんせ日本は残っていませんからね・・・。

当時、まだ階級制度があって、「靴職人の子はどんなに勉強しても靴職人」という時代でした。

世界的には、ナポレオンがロシア遠征をした時代です。アンデルセンの父は、このナポレオンに、当時のロマン主義に心酔し、ロシア遠征に一旗あげようと参加するも、ロシア遠征は大敗に終わります。そして、失望のあまり亡くなります。

母は、洗濯女をしながらも、生活から逃れるためにアルコールを煽り、父の死から二年後に再婚します。

このことをきっかけに、アンデルセンは家を出ます。14歳のことでした。

すでにイギリスでは産業革命が起こっていたにもかかわらず、コペンハーゲンはまだまだ古い体質でした。ここでアンデルセンは16年という長い歳月を試練の中で過ごします。それはやはり、階級と、無学ということがネックとなっていたのです。

そうして「子どものための童話集」を発表します。
アンデルセンの作品は、今までの昔話、おとぎ話とは違って、自らの経験、体験を基にしたものです。そのため、当時の社会情勢が反映しています。
例えば、「マッチ売りの少女」この軸のあるマッチは、当時の最先端、最新の商品だったのです。

このマッチ売りの少女、実はモデルはアンデルセンの母親で、母は、子供の頃、親から物貰いをさせられ、それが出来ずにオーデンセの橋の下で泣いていた・・・。というところから出来ています。そして、このマッチ売りの子どもという設定は、「物売りする子供は貧しい子」という当時を語っています。

アンデルセンは次々と作品を世に送り出し、流行作家となり、ヨーロッパでの地位を確立したかに見えました。ロマン主義のおかげで、階級がなくなって、個人の時代のように見えましたが、階級制度はまだまだ根強く残っていて・・・。靴屋の子供はは靴屋でなくても良い筈なのに、靴屋のまま。という、下層のものが生き抜くにはまだまだ大変だったのです。

アンデルセンは、ヨーナス・コリーンの援助を受けていましたが、作家として成功していても、上流階級の人間ではないため、家族にはなれませんでした。これが、「みにくいアヒルの子」なのです。

でも、みにくいアヒルの子は白鳥になります。これは、アンデルセンが心の中で、自分が下層の人間ではないと思っていたからのようです。それは、当時の人にとっては新しい感覚でした。

1848年、フランスでは2月革命が起こり、3月にはデンマークでもデモ。そして、立憲君主制になります。

これは、市民階級の起こしたデモでしたが、この「市民」とは、当時はインテリのことで、労働者ではありませんでした。

アンデルセンは、生涯独身で過ごします。それは、童話作家というものは、安定した収入がなく、「旅をして、高貴なおうちに逗留して、およばれをする。」という生活だったからだといえます。失恋に失恋を重ね、王子に恋をする「人魚姫」を書き上げるのです。

そしてどこにも根をはれない現代的な芸術家アンデルセンは、「赤い靴」を書きます。これは、人間の内面の葛藤を書いたもので、私とは何か?という個人主義、自己中心的な考え方を、踊りの好きな女の子を通して、自分を優先する心と他者を思いやる、隣人を思いやる心との対立を書いています。これは、アンデルセン自身の葛藤なのでしょう。

切り落とされた赤い靴。赤い靴は何?それは自己愛の象徴なのでしょう。

アンデルセンは、自分に対して正直で、率直な人、そうして自己愛という現代的な問題をいち早く、童話という形で世界に広めた人だったのです。

1875年70歳で死去。高貴な身分に憧れ、仲間に入りたかったアンデルセン。かれは、国民から惜しまれ、国葬されました。

お子様向けの童話とはいえ、なかなか後味の悪い作品が多いですよね。「人魚姫」も、ハッピーエンドにしてあげたらいいのに・・・。とか、「赤い靴」では斧で足をきりますし・・・。「みにくいアヒルの子」でも、君が醜いのなんか気にならないよ。家族にならなければね。とか、童話らしからぬ話も多いのですが、それは、アンデルセン自身の鬱屈した醜い部分がそうさせたのかも知れませんね。

読みたいような気もしますが、童話って怖いですよね・・・。トイレに行けなくなったら困るので、止めておきます。Σ(T□T)

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posted by ちゃーちゃん at 13:41| Comment(0) | BS歴史館 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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