2012年11月05日

池上彰のニユーヨークLIVE「不思議の国 アメリカ」A

“ドブ板戦略”は、ボランティアが支えています。

オバマ陣営は2008年から有権者の情報を蓄積し、それをもとに支持者を訪問、支持を訴えます。
午前中に有権者に会えるのは2割ほど。。。
効率は悪いですが、個別訪問が最も投票に結びつくのです。
1票を得るために、車までも手配しますが、投票をしない・・・そんな人も増えています。

ちなみに個別訪問は、日本では禁止されています。



期日前投票・・・
今回は、有権者の35%が期日前投票を行います。
オバマ大統領も、大統領としては初の期日前投票をしました。
これは、大統領再選のカギを握るパフォーマンスと思われます。


投票用紙に投票をさせる投票率を上げるシステムがあります。
投票以外にも、マリファナ合法や、中絶などの意見を問うことのできるシステムになっているからです。

アメリカは、投票日が火曜日ということもあり、労働者などは投票に行けません。
だから、期日前投票をすることで労働者階級・・・労働者たちのたくさんいる民主党員の投票率をあげるという意味が含まれています。

また、有名人たちも支持を表明します。
民主党支持には・・・
スティーブン・スピルバーグ、
image[3].jpg

ジョージ・ルーカス、ジョージ・クルーニー、レディ・ガガ、

共和党支持には、
クリント・イーストウッド、
image[5].jpg

ブルース・ウィリス、シルベスター・スタローン、シンディ・クロフォード・・・などです。
しかし、今回ブルース・ウィリスは、ロムニー候補は嘘ばかりだと、投票しないことを表明しています。
そこにメリットはあるのでしょうか???
ご本人にはメリットはありませんが、そこにセレブリティと有名人の責任を見出しているのです。


アメリカの財政は、世界にひびいてきますが・・・
12年末に大型減税の期限切れ
13年初には歳出の自動削減など・・・
4870億ドル(GDP比3.3%)の緊縮財政へと突入します。
景気が悪くなるのでしょうか???

日本としてもこれを気にしています。
大統領選挙はこれにどう影響してくるのでしょうか?
日本の内需や中国の成長が弱まる中、米国市場の成長が重要なカギとなってきます。
ロムニー候補のほうが削減幅を大きく(3830億ドル)、オバマ大統領のほうが財政削減を小さく(2200億ドル)という立場をとっています。

中国に対しての政策は・・・ロムニー候補のほうが厳しくなるようです。
人民元を為替操作国と認定すると言っていますが、そういわれると中国は絶対にしないと思われます。

日本には、輸出に響いてくるかと思われます。
どちらの大統領になっても、12月には答えを出さなければなりません。


そして、4年後、8年後の大統領はどんな人なのでしょうか???
タンパで行われた共和党全国大会で・・・ロムニー氏が候補に決定しましたが。。。

大会の参加者は主に、代議員と呼ばれる人で、各州から集まり、予備選挙・党員集会の結果を受けて候補者を選びます。
アメリカでは、演説の上手下手が票を左右するので、プロンプターを使うなどの工夫をしています。
その中で・・・若手政治家の応援演説が注目されます。
オバマ大統領が注目されたのも、8年前の当時、イリノイ州上院議員の応援演説のときでした。


今回の大統領選で注目を集め、期待されたのは???
民主党では・・・
ヒスパニック系で初めて応援演説をしたテキサス州サンアントニオ市長、フリアン・カストロ氏。
ロバート・ケネディの孫にあたるジョセフ・ケネディ3世。

共和党では、副大統領候補、ポール・ライアン。
元テキサス州訴訟長官、ヒスパニック系のテッド・クルーズ氏などです。

現在の予想としては・・・ブッシュVSゴアの時のように・・・
総得票数でロムニー氏が勝利、選挙人数でオバマ大統領が勝利し、再選。。。ということが予想されます。


今年は、アメリカ以外でも世界の政治指導者が変わっています。
フランス・オランド大統領、ロシア・プーチン首相、台湾・馬英九、北朝鮮・金正恩、11/8中国・共産党大会、12/19韓国・大統領選挙。

国の内側に目が向く時代です。
今年はその為に、外交的に緊迫した状況が続きました。
リーダーが決まった来年、日本としてどのようにして諸外国と付き合っていくのか?
それを考えなければなりません。


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posted by ちゃーちゃん at 14:33| Comment(0) | 池上彰 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

池上彰のニユーヨークLIVE「不思議の国 アメリカ」@

世界で最も影響力のある指導者を決めるアメリカ大統領選挙は11月6日にあります。
アメリカ各地を取材して見えてきたアメリカの今を教えてくれます。

では、アメリカの大統領選挙の仕組みとは???
登場人物は・・・
民主党・オバマ大統領VS共和党・ロムニー候補
それぞれに、副大統領・ジョセフ・バイデン氏と副大統領候補・ポール・ライアン氏が。。。
そして、それぞれの夫人・・・この6人で闘うことになります。

今年の1月から、それぞれの党の候補を選んでいました。
日本とは全く違う選挙です。
直接選挙と言われますが、厳密にはか案説選挙です。
大統領を選ぶのではなく、大統領選挙人を選ぶ選挙なのです。
全米で538人選ばれます。

現在の状況は・・・全く読めないと言えます。
ロムニー氏に押され気味だったオバマ大統領・・・
全米の世論調査では、オバマ大統領47.4%、ロムニー候補47.3%と拮抗しています。
この勝敗のカギを握っている大統領選挙の鍵は、“激戦区”が握っています。

中でも、オハイオ州・・・両候補とも、ここに力を入れています。
この世論調査でも接戦となっています。

4年前、“チェンジ”を旗印に大旋風を巻き起こしたオバマ大統領・・・
しかし、政治、経済共に不透明な中、そこにつけ込む形で今、“リアルチェンジ”で対抗しているのがロムニー候補です。
選挙をめぐる攻防は、経済・雇用をめぐり、どのようにして無党派層を獲得できるか???
それが決め手となりそうです。

夏には・・・オバマ大統領が優勢だったのですが・・・
第2回テレビ討論会をきっかけに、ロムニー候補が力を発揮してきました。
この討論会の結果、選挙結果が決まったということが過去何回もありましたが。。。
討論会の取材には、国内外から3300人以上が集まりました。

2回目の討論会は、市民との会話形式です。
どちらに投票すべきか迷っている80人の有権者が直接両候補に質問するのです。

最初の質問は雇用・・・
ロムニー候補は、「自分には1200万人の雇用を生む5つの計画がある」。
オバマ大統領は、「2年半の間に民間だけで500万人の雇用を増やした。ロムニー氏の5つの計画は、富裕層を優遇する計画だ」と、批判します。

1回目の討論会では、ロムニー候補がオバマ大統領を激しく責め立てましたが、今回は、オバマ大統領も反論して激しい激戦が続いています。

オバマ「ロムニー氏は、財政赤字を増やさず、中間所得層の減税をするらしいが、どう財源を確保するのか説明がない。」

ロムニー「いくつかの控除を抑えることで穴埋め・・・」

討論が終わっても、激しく火花を散らす両陣営。。。
この討論会の評価について、両陣営が評価をしています。
アメリカメディアの評価は・・・オバマ氏???

その勝敗を決める州は???
もともとの党が強い州を・・・民主党は“ブルーステート”、共和党は“レッドステート”と言います。ブルーとレッドだけでは、ほぼ互角です。

016[1].jpg

そうではない“スィングステート”・・・フロリダ州やオハイオ州・・・このスィングステートを制した人が、今まで大統領となっています。

オバマ大統領の最大の弱点は、雇用。失業率の高さです。
8%前後で推移していますが・・・戦後再選を果たした大統領はレーガン大統領でしたが、その時の失業率は7.4%でした。以来、7%ほどで再選した大統領はいないのです。

“ここまで下げたのか?まだここまでしか下がっていないのか?”


ネバダ州・ラスベガスでは・・・
ラスベガスにいる“立ち退き執行警察官”。
ローンや家賃の滞納者を住宅から強制退去させるのが仕事です。

今日回るのは15件の予定です。
差し押さえ物件の不在を確認してかぎを取り換え、執行が終了します。
ラスベガスでは、住宅バブルの崩壊後、強制退去が多くなり・・・去年だけでの執行・3万7000件ありました。

殆どが夜逃げをしていますが、抵抗される場合もあると言います。
執行の全てを記録して、出来ればスタンガンで闘います。

どうして家賃を滞納したのでしょうか???
ある人は、解雇され・・・生活苦からです。
ネバダ州では失業率11.8%、全米最悪で。。。住宅ローンや家賃の滞納は、失業が原因なのです。


他にも対立するポイントは・・・?
主に、税制改革・不法移民・宗教です。

アメリカも日本と同じ財政赤字が続いています。
そこで、オバマ大統領は・・・富裕層を対象に減税をやめる=“増税”しようとしています。
ロムニー候補は、減税を延長するべきだとしています。

不法移民に対しては・・・
オバマ大統領は受け入れに“寛容”、ロムニー候補は、取締りの“強化”を打ち出しています。
この対立する背景は・・・不法移民はヒスパニック系が70%を占めます。
アメリカには、このヒスパニック系の合法性のある移民が5000万人いると言われています。
全人口の16%にもなります。つまり、この人たちを優遇することは、票の獲得につながるのです。


宗教は・・・
オバマ大統領はプロテスタント。ロムニー候補はモルモン教です。
アメリカの宗教別の割合は・・・
プロテスタント48%、カトリック22%、無宗派20%、モルモン教2%、その他となっています。
過去の大統領選挙では・・・ケネディ大統領がカトリック、あとは全部プロテスタントなのです。
モルモン教は、19世紀初めに誕生しました。正式名称は、末日聖徒イエスキリスト教会。キリスト教を中心に教えますが・・・キリスト教の派の中にはキリスト教ではない!!という人がたくさんいます。

ロムニー家は、代々モルモン信者です。
モルモン教の創設者と一緒に布教に協力してきました。
本部はソルトレイクシティ。信者は世界1440万人です。
日本にも教会があり、信者数は13万人と言われています。

19世紀初め、ジョセフ・スミスが創設。
聖書に加え、独自の「モルモン書」を聖典とします。
協議の部分でもキリスト教徒は異なる部分があるので、一部の教会は「キリスト教」と認めていません。

ある調査では、2割弱の人が「モルモン教の候補に投票しない」と言っています。

モルモン教については・・・
「よくわからない」というのが実状です。

教会には・・・十字架・キリスト・マリアの絵・像はありません。
家族が幸せ・・・それが一番です。
必ず週に1回家族で時間を過ごしています。
飲み物は、水かジュース・・・。アルコールやコーヒー、お茶を禁止しています。

食事が終わると・・・家族で聖書とモルモン書の勉強をします。

勉強が終わると家族でゲーム大会。

この週1回のファミリーナイトでは、テレビと音楽を一切付けず、勉強と遊びで家族が交流します。

建国以来、過半数を占めていたプロテスタント、半数を割ってきました。
もともとアメリカは、ヨーロッパからプロテスタントが移民してきた国ですが、それが減ってきました。無宗派が増えてきたのです

それは・・・都市化が進み、家族で教会に行っていた人が縁遠くなったり、礼拝に行かなくなった人が増えてきたのではないか???ということです。
宗教で候補を選ぶことがなくなってきたのかもしれません。

また、選挙と宗教の不思議な関係の一つに・・・“同性婚”“妊娠中絶”があります。
そしてこれらは、政策の対立として出てきています。

他にも・・・アメリカではGOD・GUNS・GAYこの3つを上手くりようすることだけで勝てるということで・・・3Gとも言われています。


日本と違う意味で、色々なことが選挙に絡んできていますね。

そうだったのか!現代史 [ 池上彰 ]
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