ニューヨーク5番街。高級ブランドが立ち並ぶ中・・・
新名所となっているのがアップル・ストアです。
iPhoneの組み立ては・・・中国で行っています。
アップルの商品は、中国にあるフォックスコンで作られています。
その担い手は、100万人とも言われる中国人たち。
ジョブズ氏はオバマ大統領に言っています。
「工場の国内回帰は不可能」と。
それでも、製造業の国内回帰に執念を燃やしているのがオバマ大統領です。
アメリカの製造業は今どうなっているのでしょうか?
アメリカの大統領選挙は・・・オバマ大統領の勝利となりましたが、その中の重要課題には雇用問題がありました。失業率を下げるために。。。
「2016年までに製造業で100万人の雇用を創出すること」を、公約しています。
そもそもアメリカの製造業って???
かつては「世界一のものづくり大国」だったアメリカ。
メードインUSAの商品は・・・
1953年世界初のカラーテレビを発売(RCA)
1983年世界初の商用携帯電話(モトローラ)
1888年世界初のロールフィルムを発売(コダック)
こんなに製造業が盛んだったのに・・・衰退してしまいました。
そこから今、蘇ろうとしています。
ミシガン州・デトロイトは、アメリカの自動車産業の中心地です。
アメリカの魂・自動車ビッグ3の街は今・・・廃墟と化した工場が立ち並んでいます。
ここにはGM・フォード・クライスラーの三大自動車メーカーの本拠地です。
アメリカの産業の崩壊を象徴しています。
住宅ローンが払えなくなって家を手放す人もたくさんいます。
クライスラーは、1925年創業。
GM、フォードに次ぐアメリカ第三位の自動車メーカーです。
新技術を次々と開発してきていました。
オイルショック後も、再建をし、1987年にはジープを傘下に。
しかし、日本車に押され・・・人件費も経営を圧迫し、リーマンショック後の2009年4月30日連邦破産法の適用を申請しました。そして、GMも・・・
アメリカ産業の危機が訪れました。
オバマ大統領は、税金を投入し、GMとクライスラーを救済。
“メードインアメリカ”を作るために。。。
そして今、再建に向かって動き始めました。
クライスラーの組み立て工場では・・1日約1000台を生産しています。
解雇された従業員が、再建後に再雇用されました。
しかし、従業員は有給休暇・冬のボーナス・奨学金などがカットされました。
それでも、会社再生のために頑張っています。
そこには“KAIZEN”の文字がありました。
日本式の生産工程・・・目安箱ですね。
この改善の積み重ねによって作業ミスが8割減少、その結果、1年間で1千万ドル以上のコスト削減となりました。
クライスラー200(150万円)の売り上げは好調で、新しく1100人も新規採用しました。
無駄を省き、生産性を上げること・・・これが、アメリカの製造業を復活させるヒントになるかもしれません。
また、アメリカから中国に出ていった工場を、アメリカに呼び戻そうという考え方もあります。
イリノイ州オーロラには・・・中国から国内回帰してきている工場がありました。
ピアレス社です。この会社が作っているのは、壁掛けテレビを壁に取り付けているの“マウント”です。全米一位、シェア4割の会社です。
インターネット通販でも買えるのですが・・・
価格競争の結果、2000年から中国で委託生産を開始。
しかし、2年前中国から国内回帰してきました。
その理由は・・・アルミ加工でした。
中国工場ではチェックが思い通りにいかず不良品が10%近くもありました。テレビが落下することは絶対に許されません。
クオリティにこだわっていたのに、中国では手順を踏んだ品質チェックが出来ていなかったのです。
一番不満に思っていたのは、中国企業に委託したら製品の偽物が出回るようになったというのです。
製造方法が漏れていたのです。
おまけに中国の工場労働者の労働賃金も初めに比べると4倍にもなっていました。
いろいろな不安材料への対応をコストと考えると、国内回帰したコストでもやっていけると判断したからでした。
アメリカ企業の国内回帰は・・・
GE(電気)・フォード(自動車)・マスターロック・(錠前)・キャタピラー(建設機械)・エレメント・エレクトロニクス(家電)などで起こってきています。
ペンシルベニア州では・・・“シェール革命”が起きています。
フラッキングという技術によって、シェールガスを取り出せる技術が開発されたからです。
全米各地にシェールガスが埋蔵されています。世界一の天然ガス大国なのです。
その量100年分。これによる雇用を60万人とオバマ大統領は換算しています。
そしてその場所には労働者が集まってきていました。
この地域は、シェールガスの掘削が始まって失業率が8%を切って全国平均以下となりました。
現代版ゴールドラッシュがそこにはありました。強いアメリカへ!!
池上さんの未来予測では・・・
チャイナプラスワン。中国以外に生産拠点を作るということ。
それは、アメリカかもしれません。
アメリカの州の中には、日本に対してもっと工場を進出してくださいという誘致合戦をしているところもあります。
そして・・・日本回帰・・・中国に対するリスクや賃金を考えると、日本回帰も視野に入れてもいいかもしれません。
日本には、メタンハイドレードも見つかっています。
アメリカと同じように、自国の資源を利用して復活できるかも???
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