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中東にも有名な独裁者がいます。
もともと国民に熱狂的な支持を得ていたムアンマル・カダフィです。
去年、無残な姿で死亡しました。
2011年2月に始まった武力衝突の結果・・・自由を求めた反政府側の勝利となりました。
42年にわたったカダフィ独裁政権が終わりを告げた瞬間でした。
始まりは私の生まれた1969年。
カダフィは、無血クーデターによって政権を掌握しました。
若き指導者に民衆が沸きました。
2009年9月、国連総会で初の演説を行います。
「常任理事国だけが拒否権を持つのは国連憲章に反する」
と、強烈に批判しました。
カダフィはこう呼ばれました。“アラブの狂犬”と・・・。
そして2011年10月20日。
衝撃の映像が・・・
アフリカの王の中の王と呼ばれた独裁者・カダフィが、生まれ故郷で最期を迎えました。
このアラブの春、きっかけは、チュニジアでした。
ジャスミン革命です。
警察からひどい仕打ちを受けた若者が自殺したことに始まります。
自殺・・・それを、許されないイスラム教徒には衝撃的なことだったのです。
フェイスブックで民主化運動が広がり、2011年1月ベンアリ大統領が国外に脱出し、23年に及ぶ独裁体制が崩壊しました。
「長期独裁政権でも、民主化できるんだ!!」
と、人々は考えます。
次々と民主化運動がおこります。
エジプトでも、30年以上独裁政権を行っていたムバラク大統領が、2011年2月に失脚します。
そこに挟まれたリビアにも飛び火しましたが。。。
独裁が終わったからと言って、終わりではありません。
独裁者のいなくなっていたチュニジアはどうなっているのでしょうか???
カダフィ政権当時、北アフリカの北朝鮮と呼ばれていたリビア。
首都・トリポリでは・・・
街の至る所に新しいリビアの国旗が掲げられています。
この旗は、カダフィがクーデターを起こす前に使用されていた王権時代の国旗です。
反カダフィを宣言しています。
カダフィの肖像画は取り払われています。
しかし、お札にはカダフィが残っています。
トリポリの中心「緑の広場」は「殉教者広場」と呼ばれるようになりました。
カダフィタワーは、トリポリタワーと名称が変わりました。
町のそこかしこにカダフィを批判する風刺画落書きがります。
トリポリの街には弾痕がたくさん残っています。
一年前の戦いは、一般市民を巻き添えに、死者約5万人に達しました。
今年の7月に、60年ぶりの選挙がありました。
血で贖った選挙権です。
投票率は60%。
反カダフィで立ち上がった人たちは・・・
@チュニジア・エジプトでの革命
Aフェイスブックでの呼びかけ
B40年以上にわたる生活への不満
42年に及ぶ独裁から逃れるために、一般市民が銃を手にしました。
「勝利」か「死」それしかありませんでした。
が、もう迷彩服は必要ありません。
しかし、独裁政権の歪が出てきています。
「差別される人々」が、カダフィの自宅近くに住んでいます。
もともとカダフィに近いところにいた人たちです。
住むところがないのでここに住んでいるそうです。
カダフィ政権が倒れ、自由は手にしましたが、医療や福祉が手付かずです。
過去の思想のせいで差別されているのです。
「カダフィ側の人間だ・・・」と。
カダフィ政権、圧政の象徴と言われたアブ・サリム刑務所では。。。
多くの政治犯が収容されていました。
1996年には、ここで囚人の大虐殺がありました。
あまりに待遇が悪いことに起こった囚人が、待遇改善を求めて抗議したのです。
1200人以上の囚人が、銃殺されるという結果におわりました。
虐殺された1200人の遺体は、仮埋葬され掘り出され、砕かれ、跡形もなく焼かれてしまいました。
想像を絶する世界です。
しかし、明るみに出たのは2009年でした。
カダフィ政権崩壊の始まりは、2009年でした。
この虐殺の遺族の代理人を務めていた弁護士が拘束されたのです。
それを機に、遺族たちのデモが起こりました。
当時のリビアでは、死に値します。
それをきっかけに、民衆蜂起がおこったのです。
1200人以上の死は、無駄ではなかったのでしょう。
40年もの独裁後のリビア・・・。
この先どうすればいいのでしょう???
カダフィが書いた唯一の本「緑の書」
ここにはカダフィ独自の考えがのっています。
自らの政治哲学であるアラブ民族主義です。
国家の域を超えてアラブ一体性を実現しようとする運動です。
リビアでは、「緑の書」が教科書として使われていました。
が・・・
学校では、カダフィの思想がモチーフになっている本はすべて処分されました。
この本に対して教師たちも矛盾を感じていたそうです。
しかしこの本が、基本だったのです。
「あれはカダフィの思想であって私たちの思想ではない」
そう教えているそうです。
子供たちは・・・「緑の書は正しくない」と思っているようです。
自由とは、恐怖を感じずに、好きなことをして好きなことが言えることだそうです。
国営放送局では・・・
カダフィ政権時代は、カダフィの宣伝をする放送局でしたが・・・
どう変わったのでしょう?
革命が始まると、幹部たちは危険を察知したのか全員辞任しました。
革命前には、自由な放送がなく、監視されていました。
これからの放送局の役割は、「スポットライトを一人の人に当てないこと」だそうです。
海軍基地では・・・
かつてはカダフィの軍隊でした。
兵士たちは・・・愛国心・未来のために立ち上がった若者がいました。
何万人もの命の犠牲の上に成り立った自由・・・そこには新たな熱狂がありました。
独裁政権によって、40年間リビアは世界から立ち遅れてしまいました。
この40年間を取り返さなければいけないんだ!!
と、思っているそうです。
これからどう追いついてくるのでしょう?
エジプトではイスラム原理主義的な勢力が強い力を持って、軍部と対立しています。
しかし、リビアでは、民主化運動をした人たちが、議会で進出しました。
ほかの国に比べると穏健的です。
しかし、新たな熱狂が生まれるかもしれません。
その時は英雄だった人たち。。。
熱狂すると危険なことが起こる。。。
一人一人がよく考えることが必要です。
日本国憲法の前文には、
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」
とあります。
この精神が大切だということでした。
これが当たり前の生活だと思っていた時代、一丸となって敵に向かって突き進む、いつの時代にもあり得る熱狂だということです。
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![集英社文庫 池上彰 集英社発行年月:2007年03月 予約締切日:2007年03月18日 ページ数:412p サイズ:文庫 ISBN:9784087461411 池上彰(イケガミアキラ)1950年長野県生まれ。73年、NHKに入局。2005年まで32年間、記者として事件や災害、消費者問題などを担当する。また、94年から11年間は、「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 冷戦が終わって起きた「湾岸戦争」/冷戦が始まった/ドイツが東西に分割された/ソ連国内で信じられないことがスターリン批判/中国と台湾はなぜ対立する?/同じ民族が殺し合った朝鮮戦争/イスラエルが生まれ、戦争が始まった/世界は核戦争の縁に立ったキューバ危機/「文化大革命」という壮大な権力闘争/アジアの泥沼ベトナム戦争/ポルポトという悪夢:「ソ連」という国がなくなった/「電波」が国境を越えた!「ベルリンの壁」崩壊/天安門広場が血に染まった/お金が「商品」になった/石油が「武器」になった/「ひとつのヨーロッパ」への夢/冷戦が終わって始まった戦争 旧ユーゴ紛争 民族紛争によるテロ事件、混迷をきわめるパレスチナ問題、北朝鮮問題など、日々世界中から伝わってくるニュースの背後には、事件に至るまでの歴史がある。そして、その少し前の歴史を知っていれば、ニュースが鮮明になり、世界が読めてくる。「知らない」ではすまされない現代史の基礎知識を、ジャーナリスト池上彰がわかりやすく解説する、現代史入門の決定版。最新情報を加筆し、ついに文庫化。 本 人文・思想・社会 歴史 世界史 その他 文庫 人文・思想・社会 そうだったのか!現代史 [ 池上彰 ]](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F0874%2F08746141.jpg%3F_ex%3D160x160&m=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F0874%2F08746141.jpg%3F_ex%3D160x160)
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![集英社文庫 池上彰 集英社発行年月:2008年06月 予約締切日:2008年06月23日 ページ数:428p サイズ:文庫 ISBN:9784087463125 池上彰(イケガミアキラ)1950年長野県生まれ。73年、NHKに入局。2005年まで32年間、記者として事件や災害、消費者問題などを担当する。また、94年から11年間は、「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 第1章 誰がフセインを育てたか イラクが軍事大国になるまで/第2章 アフガニスタンが戦場になったーソ連軍侵攻と米軍の攻撃/第3章 パレスチナの大地は再び血塗られた/第4章 「モスクワの悲劇」はなぜ起きたのか チェチェンの人々/第5章 北朝鮮はなぜ「不可解」な国なのか/第6章 南アジアは核戦争の恐怖に怯えた インドとパキスタンはなぜ仲が悪いのか/第7章 核兵器の拡散ー続く戦後世界/第8章 放射能の大地が残った チェルノブイリの悲劇/第9章 「花の髪飾り」の抵抗 アウン・サン・スー・チー/第10章 二一世紀最初の国が誕生した 東ティモール独立 アメリカはなぜイラク攻撃を強行したのか、北朝鮮は何を望んでいるのか、パレスチナはどこに向かうのか。世界はめまぐるしく変動し混迷をきわめている。そしてわたしたち日本人も無関係ではいられない。その世界情勢を理解するには、少し前の出来事を知る必要がある。9・11以降、世界が注目する国や地域の現代史を取りあげた、大好評、池上彰の『そうだったのか!』シリーズ文庫化第二弾。 本 人文・思想・社会 歴史 世界史 その他 文庫 人文・思想・社会 そうだったのか!現代史(パート2) [ 池上彰 ]](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F0874%2F08746312.jpg%3F_ex%3D160x160&m=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F0874%2F08746312.jpg%3F_ex%3D160x160)
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![池上彰 小学館発行年月:2010年03月 予約締切日:2010年03月24日 ページ数:287p サイズ:単行本 ISBN:9784093798143 池上彰(イケガミアキラ)1950年長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。報道局社会部記者などを経て、94年から「週刊こどもニュース」の語り手であるお父さん役を務め、その丁寧な解説が人気を集める。2005年にNHKを退社し、フリージャーナリストに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 第1章 テロ・紛争・衝突ーなぜオバマでも「戦争」を止められないのか?(南アジアーオバマ大統領「アフガン増派」と「ノーベル平和賞」の板挟み/南アジアー米軍「アフガン戦争史上最大の作戦」でも勝利できない理由 ほか)/第2章 注目事件&人物ー海外の現実が「10倍よくわかる」ニュースの見方(中米ー大地震だけじゃない!最貧国ハイチを苦しめる悲劇の歴史/欧州ースパイ映画より奇想天外!「消えた貨物船」騒動はモサドの仕業? ほか)/第3章 経済・金融ー欧米の混乱を尻目に存在感を増す中国(EUーギリシャほか南欧4か国「PIGS」の財政赤字がユーロを脅かす/米国ー「1929年の大恐慌」の教訓に学ばなかった米国の愚 ほか)/第4章 政権交代ー問題続出!?選挙は何をもたらしたのか?(日本ーNYタイムズの「記者クラブ問題」報道を黙殺する日本メディア/米国ー政権交代で総入れ替え!アメリカ式「回転ドア」人事とは ほか)/終章 歴史的視点ー「20世紀」を読み解けば世界がわかる(世界ー“激動と変革の時代”を生き抜く道標は、この100年間にある/日本ー首相がサハリンをロシア領と認定ー「北方領土」解決策はあるか?) 世界はニュースで繋がっている。“ニュースの達人”池上さんが今さら人に聞けない素朴な疑問にも答えます。 本 人文・思想・社会 社会科学 社会科学全般 その他 「1テーマ5分でわかる」世界のニュースの基礎知識 [ 池上彰 ]](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F0937%2F09379814.jpg%3F_ex%3D160x160&m=http%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F0937%2F09379814.jpg%3F_ex%3D160x160)
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