池上彰さんの続きです。
そうだったのか!石油の値上がり。です。
価格は155円超え、3年5か月ぶりの高騰です。
これからは、石油だけではなく石油製品となると、ありとあらゆるものが値上がりしていきます。
原因は・・・
@産油国の情勢・・・ホルムズ海峡封鎖
日本の石油のおよそ8割が通過しています。
もしここが封鎖されてしまうと・・・

おまけに、湾岸諸国の石油埋蔵量は世界の54%を占めています。
で、石油の値段が高騰しています。
その輸出の玄関口・ホルムズ海峡封鎖を主張しているのはイラン。
これに対して、アメリカやEUは猛反発しています。
両者は緊張状態にあります。
日本も他人事ではない上に・・・
今、海峡封鎖の危機の可能性が高まっています。
そうなると、さらに値上がりが予想されます。
そもそもの発端は、アメリカ対イランの関係にあります。
イラクには、核開発疑惑があり、イランとしては原子力発電所の燃料棒を造っていると主張しています。
しかし、次々と秘密工場が発覚しました。秘密に造るということは、やはり核兵器では?ということで、経済制裁をとるようになりました。
現在は、アメリカとEUが経済制裁をし、イラン産原油の輸入が停止されています。
イランは怒って、「ホルムズ海峡封鎖だ!!」と、主張したのです。
この対立関係で世界に石油に対する不安が高まって、高騰するようになりました。
日本では、更なる発展の可能性があります。
長年続いていた円高から、円安となった今・・・。
そして、タンカーで運ばれるので、円安の影響は約50日後・・・。
石油だけでなく、天然ガスにも問題が・・・。
天然ガスの2割もホルムズ海峡を通ってきます。
この天然ガスは、主に火力発電の燃料です。石油はだいたい193日分備蓄していますが、天然ガスは備蓄があまりありません。2〜3週間分です。
そして、震災によって原発に頼れなくなった分が火力発電で賄っているので。。。
ホルムズ海峡が封鎖された場合、電力不足や電力の値上げに繋がる恐れがあります。
私たちの生活に大打撃・大きく影響しそうです。
では、イランはどのように封鎖しようと思っているのでしょうか?
機雷・軍艦をもって・・・近辺の、オマーンやアラブ首長国連邦の海域を通ろうという船も沈めると言っています。
イランの海峡封鎖を想定した軍事演習に対し、アメリカは空母を派遣しイランを牽制しています。緊迫した睨み合いが続いています。
このあたりの人たちは、どう思っているのでしょうか?
アラブ首長国連邦の中の一つで最もホルムズ海峡に近いラスアルハイマ首長国では、国の経済を貿易の収入や観光収入に頼っています。つまり海峡封鎖の影響大の国です。
この国にとっては、イランは非常に良いマーケットです。
欧米の経済封鎖に対してイランはホルムズ海峡封鎖を主張していますが。。。
首長の弟さんによると、ホルムズ海峡は、世界にとって不可欠な存在で、約30kmの幅があります。
だから、実際に封鎖するのは簡単ではありません。
そしてイランにとっても製品の輸出入を行う重要な場所です。
つまり、非現実的ということです。
ラスアルハイマ首長国としては、EUの経済制裁には加わらないが、国連が制裁に踏み切った場合は協力するということでした。
つまり、封鎖は原油の値段を上げるためのイランの作戦では?ということでした。
が、ここにきてイランの国内情勢が変化。単なる脅しではないかも?
そこにはイラン特有の政治制度がありました。
アフマディネジャド大統領はいますが、その上に最高指導者がいます。
イスラム教シーア派の一番偉い人、ハメネイ師です。そして、最高指導者が軍の最高司令官・法律や裁判などすべてに渡って一番力を持っているのです。
そして今、大統領と最高指導者の意見が対立しています。
大統領は穏便に済ませようとしていますが、ハメネイ師はアメリカが圧力をかけるのは許せないと、思っているのです。
国会議員選挙の結果、ハメネイ師の強硬派が圧勝。7割の議員を確保してしまいました。
そして、強硬派は、政治批判の取り締まりを始めたと言われています。
イランの人々の本音とは?
ドバイには、たくさんの貨物船があります。そしてそこにはイラン人が沢山働いています。
送られるのは主に家庭用品。売りに来ているのは、干しブドウやスパイス。タイルや陶器です。
政治的なことは絶対に聞けません。やめてほしいということでした。
が、経済状態は良くないそうです。。。
どうして言えないのか?
スパイが乗り込んでいたり、近くにいるからです。
祖国から離れてドバイに暮らすイラン人は・・・。
アメリカとイランの関係から、ドバイ政府がイラン人の入国を制限しているそうです。
核開発問題で緊張状態にあるからです。
ホルムズ海峡が封鎖されてしまうと困る。
新しい湾岸戦争が起こるかもしれない・・・。ということでした。
そんな危機感をもって生活していました。
では、アメリカはどう考えているのでしょう?
それがA。オバマ大統領「軍事攻撃も辞さない」構えに入っています。
それは、11月にアメリカ大統領選挙があるからです。
これまでは、「軍事攻撃は避けたい」と言っていたのに、「交渉の窓口は狭まっている」と、言っています。
発言が変化したのは、アメリカ国内のガソリンの高騰・・・
アメリカは自動車社会です。ガソリンの値段が高くなったことで、支持率が低下してしまいました。
民主党はオバマ候補で決まりですが・・・
共和党候補者が、強硬な姿勢で対抗しています。
となると、オバマ大統領としても強気になってきます。
そして、アメリカは、軍事攻撃を始めると国が一つにまとまるのです。
アフガニスタンでも、湾岸戦争でも、たくさんの人が亡くなって、世論は厳しいというのに・・・一つにまとまるのです。
もし戦争になった場合、その戦争の負担は日本にも来るかもしれません。
機雷で封鎖された場合・・・機雷撤去の技術は日本の自衛隊がトップクラスです。
湾岸戦争終結時、機雷撤去の為に、日本は自衛隊をペルシャ湾に派遣しました。
お金を支払うのは困る?となれば、また地雷撤去に向かうという案が考えられています。
イランがアメリカ以上に敵対している国は・・・。
イスラエルです。イスラエルは1981年に核開発施設を空爆、2007年にシリアも空爆しています。過去に2回空爆で止めています。
つまり、イランを爆撃する可能性があります。
それが、現実を帯びてきました。
イスラエルが空爆する場合、どこかの国の上を通過しなくてはなりません。
一番最短距離は、イラクの上空です。
イラクには、少し前までアメリカ軍が駐留していました。
アメリカに断りなく上を飛ぶことは出来なかったのですが、今ならできる。
しかしアメリカとしては、空爆はやめてほしい。
ので、経済制裁に踏み切ったのです。
そのためには、日本も協力してください。
とりあえず日本はイラン産原油の輸入を大幅に削減しました。
しかし、イスラエルとイランの戦争は、すでに始まっている?
2010年1月にイランの首都テヘランで・・・。
オートバイが爆発、教授が亡くなりました。この教授は、イランの重要な核科学者でした。
核科学者を狙った暗殺疑惑が持ち上がったのです。
そんな核開発者ばかりが狙われ爆死する事件が相次いで起こります。
イランはイスラエルによる犯行を疑っていましたが、証拠は不十分。。。
今年1月、イスラエル軍の参謀総長が国会で発言しました。
「2012年は、不自然な出来事により、イランにとって重要な年になるだろう」
その翌日、テヘランで要ら庵の核科学者が車で出勤途中、不審なバイクが接近、爆弾を張り付けて逃走。
爆発し・・・不自然なことが起こりました。
そんな中、イスラエルの要人が狙われる事件が発生します。
2月、インド・ニューデリーで
イスラエルの外交官が狙われました。全く同じ手口で爆弾を仕掛けました。
インドの警察は、3人のイラン人を国際指名手配しました。
それ以後も、イスラエルの要人を狙った爆発事件は発生。グルジア・・・タイ・・・
その舞台が日本でないとは限りません。
今後は・・・
IAEAが、核開発が平和利用かどうか調査を受け入れると発表しました。
どうなるのでしょうか?
戦争は嫌ですよね。
平和が一番です。

↓ランキングに参加しています。

↓応援してくれると嬉しいです。

にほんブログ村
社会・経済 ブログランキングへ