風呂に入り
ゲームをして笑う
それが人生だ」
人類が、最も幸福だったと言われる古代ローマ時代。

ローマ帝国 第二集 一万人が残した落書き ?ポンペイ 帝国繁栄の光と影?
人々が享受していた豊かな暮らし、その息吹をそのままに残す遺跡が、イタリア南部にあるポンペイです。
ポンペイは、西暦79年、ベズビオ山の噴火によって、突然灰に包まれました。
そのためタイムカプセルのように、2000年前の遺跡が今に残っています。
そんなポンペイで、近年大発見がありました。
発掘された建物の地下から、様々な年齢の54体の人骨が発見されたのです。
分析の結果、いろいろな事実がわかってきました。
2000年前の驚くほどに進んだ暮らしぶり。
そこで人々は何を大切にして生きてきたのか?
古代ローマの反映とその秘密に迫ります。
それは、人類の理想の世界か?
それとも究極の快楽の世界なのでしょうか?
古代ローマ帝国、紀元前8世紀に建国し、紀元5世紀までその後広大な領地を支配しました。
ポンペイがあったのは、最盛期紀元前後の頃。
ポンペイを襲った悲劇はベズビオ山から始まりました。
その「ポンペイの悲劇」
およそ2000年前、栄えていたポンペイをはじめローマの都市のいくつかがベズビオ山の噴火の直撃を受けました。その火山灰の量は、20mをこえるものでした。町は灰の下に埋もれ、1500年以上もの間存在を忘れられていました。
西暦79年春、午後1時ごろ異変が起こりました。
山頂から巨大な噴煙が・・・。初めて見る光景でした。
火口から3万m上空まで真っ黒な柱が上りました。人々はパニックに・・・!!
町にはがれきが降ってきます。降り注ぐ量も急に増加・・・。
深夜零時過ぎ、火砕流が町を襲います。行く手にあるものすべてを飲み込み・・・町は永遠に時を止めました。
そんな大惨事の中、生き残った人たちがいました。
地下室から54体もの人骨が発見されました。
なぜ彼らはここにいたのでしょうか?
遺体の中には、エメラルドの装飾品や、100を超える金貨に囲まれたものも・・・。
装飾品が化学反応を起こして、骨が緑色に変化している骨がありました。
「グリーン・レディ」
「グリーン・マン」と呼ばれています。
このグリーン・マンは、遺体の近くに印鑑がありました。名前は「ルキウス・クラッシウス・テルティウス」
この建物では商いが行われていました。イチジク・ザクロ・ワイン・オリーブオイル。
グリーン・マンは、この建物の主人で、市場を経営し、莫大な財産を持っていました。地位と名誉、財産があり、町を離れることが出来なかったのです。
「グリーン・レディ」は、妊娠していました。
だから、ポンペイにとどまる決心をしたのです。
クラッシウスは町の人と共に地下室へ・・・。その人たちは、多種多様の54人でした。
火砕流が町を飲み込みます。が、一時的にでも、奇跡的に助かった人たちでした。
古代ローマは、近代ヨーロッパの原型と言われています。古代ローマ帝国崩壊から見える現代社会のもらいはどんなものなのでしょう?
その豊かな暮らしぶり・・・。
町には400件もの商店街が軒を連ねていました。
古代ローマ人が最も愛したものは?
@風呂
冷たい・熱い・蒸し風呂・日光浴といろいろあり、仕事は午前中で終わり昼からは風呂へ。そこは皇帝も、貧しい人も皆行く町の社交場でした。
水か豊富にあって、水汲み場は町に40か所以上、水道の技術が発達していて水道弁も今と同じ形でした。
Aグルメ
今とは食事形態が違い、寝そべって食べるため、食事をするためのベッドがありました。
お腹がふくれて苦しくなったらはいてまた食べる。。。そんな食生活でした。
夢中になって食べていたのは豊富な魚・魚介類・・・自然の恵みをたくさん享受していました。
B娯楽
円形闘技場でのショーが大好き。猛獣と死闘を演じるグラディエーターは一番人気でした。地下には舞台装置があって地下から猛獣がせりあがる。。。そんな興奮が大好きでした。
働くのは少し。@ABで気楽に過ごす。今日を楽しめの精神でした。
このローマの豊かな生活は、産業革命がくるまで人類は凌駕することは出来ませんでした。
古代ローマは何故豊かな社会を実現できたのでしょうか?古代ギリシャのような、天才はいないのに数倍の生活を維持できています。
それは、統治の仕方が良かったのです。近代の理想の社会でした。
ギリシャのようなポリス(都市国家)ではなく、地中海の国々を領域国家にする・・・足りない食料を補い合う・・・という統治の仕方でした。そうすると、全体で食料を巡る戦争がなくなり豊かになるのです。
54体の骨の中にはアフリカ系の男性もいます。奴隷ではなく、骨がグリーンに変色していることから裕福な暮らしをしていたのが解ります。
では、ローマの社会システム「奴隷制」とは?
帝政時代のローマの位は・・・
皇帝⇒元老院⇒騎士階級⇒市民⇒奴隷
となっていました。
イタリアの小国にすぎなかったローマが、次々に支配地を増やし、戦争捕虜や征服地からの移住者を奴隷としたのです。
ローマの奴隷には、様々な人種がいました。仕事も才能に応じてバラエティに富んでいました。
家庭教師奴隷・・・教養の高いギリシャ人などです。
名告げ奴隷、演奏奴隷・・・ほとんどが、命を脅かされるものではなく、最低限の生活保障がありました。
その最大の特徴は、お金を払うなどして自由の身(解放奴隷)になれるということです。
ポンペイと同じように埋まってしまったヘルクラネウムという町は、4分の3は解放奴隷でした。
解放奴隷には、市民の権利、金を稼ぐ権利があって、尊厳が守られていました。
基本的に裕福でも貧しくても食生活は同じようなものを食べていたようです。
分け隔てなく、健康的な生活を送っていました。
今の奴隷のイメージとは全く違うのです。
奴隷であるという身分を隠している人もいました。
現代でいうと、働いてお金を稼ぐサラリーマンのようなものです。
ジェネラリストであるということを重視するローマでは、奴隷の仕事は一芸に秀でたエキスパートだったのです。
お金を扱う仕事が卑しいとされ・・・
解放奴隷でも、財務大臣がいたそうです。だから、案外お金持ちだったのかもしれません。
ローマの政策に・・・「パンとサーカス」と言うのがあります。
パンは、ローマ市民に小麦を無償配給する福祉制度の事です。恵まれない子は、皇帝が養育しました。
サーカスは、戦車競技のことで、これを市民に提供しました。
皇帝は地位や名誉、お金もありますが、国民の人気者でなければなりません。でないと・・・親衛隊に暗殺されるかもしれない・・・そんな生活を送っていました。
イギリスのハドリアヌスの長城は、全長118q、ローマ時代の国境線は、遠く果てまで来ていました。
最盛期の2世紀、国土はヨーロッパからアフリカ北部まであり、世界の4分の1を占めました。
新しい都市に、街道を網の目のように巡らして、流通が活発化。
アルジェリアの「ティムカット」には劇場・14の公衆浴場が残っています。ローマと同じように、生活を楽しんでいたのです。
それは、スペインの「タラゴナ」、イギリスの「セント・オールバンズ」、トルコの「エフェス」、チュニジアの「エルジエム」・・・支配地には最先端の都市が作られたのです。
ローマの傘下に入ると快適で幸せな生活。。。
それは、ローマン・スタンダード、円滑な統治であり”あこがれ”の輸出と言われました。
200年にわたって、戦争のない
「人類が最も幸福だった時代」だったのです。
しかし、永遠ではありませんでした。
繁栄を支えていたのは、「領土拡大政策」。これには、限界がありました。
その維持費と軍事費は、いつの間にか国家予算の半分を占めるようになっていました。
軍事費、福祉、それらが財政を圧迫、大量の硬貨の発行、硬貨の質が落ち、経済が不安定になりました。
国は荒れ、内乱が起こります。帝国は混乱を極め、ゲルマン人も侵入。。。
国境の維持に努める政策転換をしました。
その時以後、ローマがかつての輝きを取り戻すことはありませんでした。
繁栄の問題点は、野蛮なものがなくなるということ。みんなが豊かになってしまって、リラックスしてしまって、野蛮でハングリーなところがなくなってしまうということ。。。
歴史を動かす原動力は、人々の心理状態によってるということ。このコントロールは難しい。。。
戦いが増えてきたことで、兵士たちに「キリスト教」思想が流行ります。ここから世界宗教になっていくのです。
395年、あまりにも膨れ上がった帝国は、東西に分裂、終焉の道を辿ることになります。
ここからわかるのは、「繁栄」の理由が「衰亡」の理由になる、多様性が「活力」から「混乱」になるということです。
歴史は繰り返す。。。
ポンペイの遺跡は、1748年発見。
ここに立つと、古代世界に運ばれたような気になる・・・・スタンダール
世界には、これまでいろいろな災禍が起こったが、後世の人々にこれほど多くの喜びを与えたものはない・・・ゲーテ
新古典主義という一大ブームを巻き起こします。建築、絵画・・・あらゆる分野で強い影響を受けます。
この時代は、フランス革命・産業革命という大革命、アメリカ独立戦争が起こった時代、豊かだった古代ローマ時代に目を向けました。幸せの時代、理想の社会を求めたのです。
ローマは世界を3回征服したと言われています。
「ローマ帝国・ローマンカトリック・ローマ法」
ローマは文明の完成形と言われています。
ローマの”自信”が今のECを作りました。
毎日を等身大でENJOYする。それが、ローマの精神なのです。

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