2011年11月01日

池上彰の現代史講義

石油が武器になった。
「池上彰の現代史講義」〜歴史を知れば世界がわかる〜です。ああ、今週から「池上彰のやさしい経済学」が始まりましたが、まだまだ見ることが出来ません・・・。Σ(T□T)

今回も、現代史講義、第12回石油が武器になったです。

原油価格は、最近頻繁に上下します。これは、原油が先物市場になっているからです。上下する要因は様々ですが、中東情勢が緊迫すると高騰し、バブルがはじけると暴落します。

国際的な原油価格は、色々なところで決められていますが、代表的なのが、ニューヨーク・マーカンタイル取引所です。ここでは、石油・金・プラチナなど、様々なものが先物取引されています。

では、先物とは・・・?「現物」は、その時に本当に必要な人が買うものです。先物は、1ヶ月、2ヶ月、半年先、1年先の売り買いを「今」することです。つまり、まだ必要でないのに買うこと、権利を確保しておくことなのです。

上手くすれば、差額で儲けることが出来ます。これは株と同じヘッジファンドなのです。

このマーカンタイル取引所では、WTIの取引をしています。このWTIは、ウエスト・テキサス・インターミディエートの略で、西テキサス地方で産出される硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油のことを指します。

原油価格の代表的な指標にはこのWTIのほか、欧州産の北海ブレント、中東産のドバイがあり、これらが世界の3大原油指標と言われています。

そのなかでも、WTI原油先物は、取引量と市場参加者が圧倒的に多く、市場の流動性や透明性が高いため、原油価格の指標にとどまらず、世界経済の動向を占う重要な経済指標の1つにもなっています。

WTI→ドバイ→日本と来るまでに、2ヶ月ぐらいのタイムラグがあり、その後、日本での価格が決まるのです。
もちろん、高く売れることもあれば、安く売らなくてはならないこともあります。

最近は円高なのに石油が高いですが、これは、”円高のおかげでこれぐらいで済んでいる”と言ったほうが正しいのかも知れません。

原油価格は、1974年ごろまでは変動は激しくありませんでした。
それは、原油価格をコントロールする組織があったからです。それは、アメリカ・イギリス・オランダの石油メジャー7社のことです。

この7社は、セブンシスターズと言われ、ガルフ、モービル、シェブロン、エクソン、テキサコ、ロイヤル・ダッチ=シェル、ブリティッシュ・ペトロリアムのことです。

この7社が、「石油を買ってやるぞ!!」と、高飛車に価格決定していました。
つまり、カルテルを結成したのです。カルテルとは、企業が競争を避けて、利益を確保するため価格や生産量などについて協定を結ぶことです。これが、自由競争を阻害することになります。

しかし、売る側も目覚めます。カルテルを作ろうと考え始めました。みんなで団結し、

1960年 OPEC(石油輸出国機構)結成
1968年 OAPEC(アラブのみ)結成

初期の頃の加盟国は・・・。

OPECのみ・・・イラン・ベネズエラ・ナイジェリア・エクアドル・ガボン・インドネシア
OPECとOAPEC・・・サウジアラビア・アルジェリア・アラブ首長国連邦・イラク・クウェート・リビア・カタール
OAPECのみ・・・バーレーン・エジプト・シリア・チュニジア

でした。
ここには、中央アジアやロシア、アメリカ、カナダなどの先進国は入っていません。

このように作ったものの、やはりセブンシスターズの力が強く、値段を引き上げることはなかなか難しかったのです。

が、1973年10月・・・。

第四次中東戦争勃発。イスラエルと中東アラブ諸国との戦争で、エジプトとシリアがイスラエルに対して奇襲攻撃をかけます。イスラエルは大打撃を受け、立ち直るのに時間がかかりました。そんな時、アメリカがイスラエルを援助、イスラエル軍が盛り返し、優位に立つのです。

このことで追い込まれたアラブ側諸国は、
1973年10月17日、OAPEC10カ国石油担当相会議で、石油を武器として使います。イスラエルを孤立させるために・・・。

・OAPEC]のうちの6カ国が、原油価格を21%引き上げる
・イスラエルを支持する国には毎月5%ずつ、またその5%と、売る量を減らしていきます。

このことで、世界中がパニックになります。
1973年11月第一次オイルショックでした。
このことで、日本でも、火力発電所がピンチに陥り、節電が行われ、銀座のネオンサインも消えたと言います。
1973年には就職採用を控えるようになり、世界経済が大混乱を起こします。

1975年フランスの大統領の呼びかけにより、サミットが始まりました。つまり、サミットはオイルショックがきっかけだったのです。

では、この時日本はどうしたのでしょう?どちらにも中立的で平等だった日本は、アラブ側の声明を出すようになりました。
「今後の諸情勢の推移如何によっては、イスラエルに対する政策を再検討せざるを得ない。」としています。日本は、「アラブよりと言うよりアブラよりだ。」と言われたのです。

中東諸国は、石油が武器になることを知りました。これで、需要と供給によって売買できるようになったのです。

しかし、石油の値段が上がりすぎると、コストが高くなりすぎて、経済成長が止まってしまいます。そんなこんなで、あまり上がらないようにはしているのです。サウジアラビアは、親米国家なので、アメリカに多くの石油を産出、そのお金で大量の武器、弾薬、最新兵器をアメリカから買っているのです。

アラブの国は、石油会社も国営であったり、王族経営だったりします。自分達の自由になるお金が増え、お金持ちになった王族達は、このオイルマネーで世界で豪遊し、目に余るほどの浪費をします。

が、80年代になると、いずれ、石油は枯渇するということに気付くにです。そこで、お金の運用を考えます。オイルマネーは、先進国に投資し、株や国債を買います。先進国からは石油を売ったお金がまた入ります。つまり、オイルマネーの還流がおき、経済が動き始めるのです。

しかし、油井を持っているのは、王族なので、貧富の差は激しいままでした。
イスラムの教えでは、人間はみんな平等なはずなのに。。。世の中は間違っている。1400年前はそうではなかった。という考え方が盛り上がってきます。これを、イスラム原理主義、イスラム復興運動と言うのです。

2001年から原油価格が急激に上がります。
9.11同時多発テロ以降、ブッシュ大統領は、オサマ・ビンラディンがいるであろうとアフガニスタンを攻撃します。
2004年3月にはイラク戦争が始まります。これは、大量破壊兵器を見つけるためでした。が、見つかったのでしょうか?

これ以後、イスラム世界と欧米諸国との対立構造が浮き彫りになり、原油価格が高騰したのです。

リーマンショックの直前にも上がっています。
アメリカのサブプライムローン(信用力の低い人に、高金利で貸し付けた住宅ローンのこと)で、住宅バブルが起こり、住宅が高くなると、それを担保に貸付し・・・景気がよくなります。が、2007年バブルがはじけて、ニューヨークの株式市場で株が大暴落。世界の投機資金がWTIに流れ込み、原油価格が高騰したのです。

皮肉にも、この原油価格の高騰により、周りまわってリーマンブラザーズが経営破たん。国際的な金融不安が始まります。投資は危険だ。止めよう。ということになり、貸金は引き上げられ、リーマンショックが起きたのです。

ガソリンの値段が上がるということで、注目されたのがバイオエタノールです。バイオエタノールは、オイルショックのとき研究開発が進みましたが、コストがかかるのでそのままになっていました。

アメリカではとうもろこしで、南米ではサトウキビで長家と同じ要領で、発酵させてアルコール濃度を上げていき作るのです。

しかしそうなると、食用の、家畜用のとうもろこしをエタノール用として売ってしまうようになりました。ブッシュ大統領は、当時アメリカの中西部・共和党の支持基盤の地域に「エタノール用のとうもろこしを作る人には補助金を出します。」と、発表。

世界は、トウモロコシ不足になります。トウモロコシの値段が上がる→家畜の値段が上がる→食料価格の高騰が起きます。おまけに、大豆・小麦の生産農家がトウモロコシの生産農家に変わったのです。余計に値段が上がり、世界的な食料の高騰が起きました。

世界的にエタノールを作った場合、アメリカなどの先進諸国はいいですが、開発途上国はそのトウモロコシなどを食料としている人も多いので、トウモロコシをめぐって、食料と燃料のひずみが起きることになりました。

2001年同時多発テロで、ブッシュ大統領がテロとの戦いを宣言。これは、キリスト教国(欧米)VSイスラム教国(アラブ諸国)という構図を作り始めました。
アフガニスタンやイラクを攻撃するアメリカ、アラブ人には「自分達はイスラム教徒なんだ!!」という自覚が生まれます。イスラム教国は連帯することを考え始めました。

イスラム的な保守化が進みます。コーランの教えに忠実にならなければ・・・。
カイロ大学では、美しい部分はかくせというイスラム教にのっとり、女性は髪をスカーフなどで隠すようになりました。

金融でも、イスラム金融という考え方が出来てきました。
アラーは、「商売はお許しになったが、利息とりは禁じ申した」という一節があるのです。しかし、「金利は資本主義の原動力」という言葉があります。銀行に預けなければ、話にならないのです。
コーランに忠実になれば、銀行業務はどうすればいいの・・・?

そこで、イスラム金融という考え方が出てきました。

イスラム金融とは?多種多様ありますが、
銀行業務を商取引としてみなすこと。なのです。銀行と預金者で企業を投資したり、株を買います。企業はそのお金で仕事をし、儲けたお金で株や会社を買い戻す。という考え方です。
金利を取っているのと同じですが・・・。ビジネスとして考えています。そんなに単純ではないそうですが。。。

でも、イスラム教なので、豚肉・お酒は口にしては駄目なので、そのようなものを扱っている会社はタブー。例えば、インスタントラーメンの会社、豚肉関係、お酒のメーカー、ビール会社、お酒を出すようなレストラン、ホテルなどです。
これは、必ずイスラムの経典・コーランに詳しい人、イスラム法学者のお伺いをたてて決めるのだそうです。

日本国内にもオイルマネーが入ってきて、土地や株も買われています。しかし、豚肉、お酒、金融機関にはオイルマネーは入ってこないそうです。

イスラム教の考え方によって、経済の流れが変わってきたと言えるでしょう。


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posted by ちゃーちゃん at 11:57| Comment(0) | 池上彰 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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