ジハードの変遷〜世界のドキュメンタリー〜です。
ああ、なんか、恐ろしいですね。。。
これは、世界を震撼させたハイジャックでした。でも、私は知りません・・・。疎かったのか、極秘に処理されてしまったのでしょうか?
1994年、クリスマスイブのことでした。
アルジェリア・アルジェで4人のイスラム原理主義者がエール・フランスをハイジャックしようとしていました。このハイジャック、何の政治的要求も、人質の解放要求もなく、前代未聞のことでした。フランスはパリ、首都の心臓部に旅客機が突っ込もうとしていました。
これは、9.11の7年前のことです。
12月24日午前11時、エール・フランス8969便は、パリに向けて準備をしていました。ここには、220人の乗客と12人のクルーが乗っていました。
銃を持った男が、機内に乱入、パスポートチェックを始めました。その男は、ダイナマイトも持っていました。
「我々は、神に選ばれた慈悲の戦士である
神の名の下に戦うためここに来た」
と、パリに向けて離陸を要求しました。
この男達は、GIA・イスラム原理主義者でした。
アルジェリアでは、軍部を後ろ盾にした一大政権が支配し、政治的抑圧や貧困が数十年続いていました。1988年、失業した若者達による抗議デモが続き、それを無視できなくなった政府は1991年自由選挙を行います。
この時、与党は勝利を疑いませんでした。が、イスラム教のイスラム救国戦線が、第一回投票をはるかに上回る支持を得て圧勝します。
そこで政府は、第二回投票を中止し、イスラム救国戦線の解散を要求しました。この怒りから生まれた武装イスラム集団が、GIAなのです。
このGIA、すさまじいテロ、テロ、テロで、軍部と戦うのでした。
このハイジャックに当たって、アルジェリア政府とフランス政府が対立します。フランスは、機内は「フランスである」と主張し、特殊部隊を送るといいましたが、アルジェリア政府はこれを却下、これは、フランスからの独立をした政府の人々が、メンツにかけて反発した結果でした。
が、犯人に制圧されて・・・すべては犯人の手に・・・。
フランスの対テロ特殊部隊GIGNは、創設以来の大事件、待機することになります。
犯人は、武装イスラム集団、これは手ごわく、メンバーは絶対に投降しません。リーダーは、ヤヒア・アブドラーでした。
搭乗していた警察官、ベトナム大使館の職員が、殺されました。。。
政府はフランスの介入を拒んでいましたが、GIGNは、内緒で一番近い場所、地中海西部スペイン領のマジョルカ島に移動していました。
アルジェリアの特殊部隊(忍者)も、配置されましたが、この特殊部隊、容赦ない攻撃をすることで有名でした。
午後二時、イスラム原理主義者のリーダーの釈放を要求してきました。その代わりに人質の一部解放を約束したのです。この時、63人のアルジェリア人の女・子供が解放されました。
アルジェリアは突入を図る前に、ヤヒアの母に説得させますが、こう着状態はなおも続き・・・
初めての夜が始まるのです。
2日目に衝撃的な情報が入ってきます。
GIAに潜入していたスパイから、ハイジャックの本当の狙いはパリ中心部に旅客機ごと突っ込む自爆テロだというのです。
マジョルカ島のGIGNの出撃準備は整っていました。
旅客機側も、食料も、燃料もなくなってきていました。
無理にでも離陸しようとし始めます。離陸許可を出さないと、30分にひとり殺す!!と、期限を切ったのです。
そうして、見せしめに三人目を殺害。フランス大使館の料理人でした。
このことでアルジェリア政府は事件から手を引くことに決定し、フランスに向け離陸許可を出しました。えー!!って感じです。
GIGNが出動となるのですが、任務は
@人質の救出
Aパリに行かせない事
でした。
12月26日午前一時離陸します。
しかし、パリではなく、マルセイユへ・・・。というのも、パリに行くためには20tの燃料がいったのですが、200人も乗っていて、暖房やその他もろもろで、マルセイユまでの燃料しかありませんでした。
マルセイユに着陸した20分前、GIGNが到着し、てぐすねを引いて待っていました。しかし、ヤヒアはかけ引きをするつもりはなく、あくまでパリ!!パリまで×3の燃料を要求しました。
GIGNは、犯人の武器、人質の位置、扉の開け方を確認、そして、リーダーの位置確認、犯人それぞれの特徴を確認しました。
犯人との交渉、13時間。
犯人は最後通牒として「パリに行けないなら犠牲者が増える」と通告。パリへはもう行けない雰囲気でした。パリへの自爆攻撃、目的が達成できない場合は、ここで殉教者となることを決めました。
GIGNは、ずっと突入機会を窺っていました。
GIGNは、前後のドアから突入、銃撃戦の中、後ろから客を逃がしました。人質は脱出シートで降りてきました。
この時、GIGNは、死者が出るのは避けられないと思ったそうです。
犯人達の全員死亡で事件は終わりましたが、その旅客機、まるで地獄のようでした。GIGNは、10人の負傷、乗客は全員生きて帰ってくることが出来ました。
ハイジャックから54時間、救出劇はわずか20分でした。
もしかしたら、クリスマスのエッフェル塔に突っ込んでいたかもしれません。
そうして、この7年後に、アルカイダが実行するのです。
ああ、怖いですね・・・。でも、本当に知らなかったなんて・・・。大きく報道しなかったのかなあ・・・。
昨日、日曜洋画劇場45周年、ダイハード4連発の第1弾をしていましたが、あれは、映画で、これは現実なのよね・・・。
本当に怖いですね・・・。
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ラベル:世界のドキュメンタリー ジハード